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ウィリアム・シェイクスピア

 

 「ハムレット」

 「世の中の関節は外れてしまった。ああ、なんと呪われた因果か。それを直すために生れついたとは!」(『ハムレット』より)

 

 悲劇の物語ということは知っていましたが、本当に悲劇でした。思っていた以上に。読了後の第一の感想は、これ以外の結末はなかったのか、ということでした。勿論そうなると、作品としての良さが損なわれてしまうのでしょうし、もしかしたらここまでの名作と言われることはなかったのかもしれないですが…。思わず、違う結末を思ってしまうほど、救いが無かったお話でした。

 登場人物の配置や役割などは、どれもとても効果的だったと思いました。無駄なキャラクターはおらず、不必要な場面もなく、洗練された作品だと感じました。台詞の言い回しも格好いいです。お話も、どうしようもない悲劇ではありましたが、先の読めない展開にハラハラしながら見守りました。この作品は小説ではなく戯曲なので、演劇のかたちでも観てみたいなと思いました。

 

 

ちなみに私が読んだのは、野島秀勝さん訳のものです(画像右側。クリックするとAmazonへ飛びます)

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