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とある乱読者の読書日誌
夏目漱石
「こころ」
「記憶して下さい。私はこんな風にして生きて来たのです。」(『こころ』より)
夏目漱石には著名な作品がいくつもありますが、この作品はその中でもとても有名だと思います。
『こころ』という作品の見どころは、上・中・下という構成の中での、下のところです。上・中での語り手である「私」のもとに「先生」からの手紙が届き、その手紙の内容(先生の過去)がつづられています。「先生」は、友情と恋愛に板挟みになり、そして、どちらかを選ぶことになるのですが―そしてそれによる結果を、「先生」は強く後悔し、それを遺書というかたちで「私」に告白します。
上の章で、「私」は「先生」に出会います。「先生」には何らかの過去があり、「私」はそれに興味を持ちますが「先生」は話してくれません。私たち読者も、過去に何があったのか、と気になる構成になっています。
「先生」の苦悩や生き方は、私たちにも通じるところがあるように思います。「先生」は友情と恋愛で悩みました。私たちも、どちらか選べと言われたとき、簡単には選べないと思います。そういった部分の人間のリアルさといったところが、この作品を魅力的にしている大きな要因だと感じます。
例として、集英社文庫の画像を載せています→
著名な作品なので、いろいろな出版社から出されていますので、お気に入りをみつけるのも楽しいです
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